『この世界の片隅に』を観ました
来月から連続ドラマが放送される『この世界の片隅に』
この世界の片隅に コミック 全3巻完結セット (アクションコミックス)
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: コミック
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原作漫画は購入しているのですが
ドラマが始まる前に改めて映像作品の方も観ておこうと思い立ちレンタルしてみました。
まず
2011年放送のスペシャルドラマ。こちら日本テレビの制作なんですね。
私、日テレが終戦記念ドラマを制作するイメージが全く無くて。
何となく、民放の終戦記念ドラマと言えばTBSかテレ朝、日テレの夏は24時間テレビ一色という印象でした。
原作とは大きく設定(登場人物の設定や行く末など)が変えられた部分もあり、原作読後だとどうしても改変が気になることも多々あったのですが
すずさんとリンさん、周作さん、3人の関係についてを比較的長く丁寧に描いてくれているのが何だか嬉しかったです。
すずさんが病院に行った後のリンさんとの会話なんて、カットせずよく入れたなあと。
(当時は当たり前のように行われていたことでも今の倫理観で非難されてしまうことはよくありますから)
すずさんと周作さんの子ども時代の出会いも実写ではどうするのかな?と思っていたのですが、上手いアレンジだったのではないかと思います。
そして
もう言わずと知れた、という感じかもしれませんが、2016年公開のアニメ映画。
私はこちらを観てから原作本を買ったので、原作のエピソードが実に細やかに拾われていることと、動きのある映像ならではの演出の数々に改めて感動しました。
カットされたエピソードも当然あるのですが、描かれていない日々もまた原作と同じように過ぎているのだということも見直してみればちゃんと分かったり。
(葬儀から帰るすずさんの荷物とか、最後に映る北條家の屋根の崩れ方とか)
本当に丁寧に作られた作品なのだなと思います。
そして今年7月からTBS日曜劇場で連続ドラマが始まりますね。
既に他局でドラマ化され、更にアニメ映画があれだけ話題になり高評価を得ている中での連続ドラマ化はかなりプレッシャーがあるのではないかと思います。
しかしながら、そのプレッシャーを覚悟した上でのドラマ化なのだろう、そうであって欲しいとも思っています。
漫画や小説の実写化を全て手放しで喜ぶ人間ではありません。
過去、好きで読んでいた漫画が連続ドラマ化された際、「どの辺が"原作"なのか説明してみろ!」と思うくらいの改変に憤った記憶もあります。
ですが、全ての実写映像化を否定したいとも思いません。
漫画や小説を実写化する際、「人気コンテンツだから」「一定層の需要が見込めるから」という打算も勿論あると思いますが、
「このキャラクターを実際の景色の中で動かしてみたい」「この世界観を実写で表現してみたい」という想いから生まれる作品もきっとあるはずだと、信じていたいんです。
そして、これは私が"実写映像作品"に出演する機会の多い役者さんのファンだからかもしれませんが
同じ原作をベースにした作品において、「"アニメ"とここが違う」という趣旨の批判はちょっと悲しいです。
アニメと声が違う、口調が違う
アニメと衣装が違う
アニメと音楽が違う 等々・・・
こういう意見を見てしまうと(アニメファンの方の総意では無いでしょうが)
「"アニメ"が原作じゃないし制作も全く別のところなのに、何故アニメと違う部分を批判されなければならないんだろう。むしろアニメと全く同じにするなら実写にする意味がないんじゃないの?」と思ってしまいます。
全く比較せずにそれぞれの作品を観ることは難しいのかもしれませんが
漫画には漫画ならではの、小説には小説ならではの、アニメにはアニメならではの、そして実写には実写ならではの
それぞれにしか出来ない表現方法、それぞれだからこそ活きる演出というのがあるのだと思います。
制作や演者の方々はその「ならではの良さ」を最大限表すために、日夜努力していらっしゃるのだと思います。
7月からのドラマ、楽しみです。
連続ドラマならではの良さが観られるといいなあと期待しています。